2023年9月5日

インボイス・返品や値引きがあった場合の取り扱いは?振込手数料は?

インボイスの実務的な対応について、本日は「返品・値引きがあった場合(下記①と②)」と「振込手数料の取り扱い(下記③)」についてお伝えいたします。自分が売り手の立場なのか買い手の立場なのかで読み方が変わってきますので、自社にとってどの取引先で該当しそうかなどイメージされながら読んでいただけますと幸いです。


①仕入返品があったので、翌月の請求書に返品名や金額のマイナス表示を行っている(買い手であれば翌月に届く請求書です)。

→特に気を付けることはありません。売り手も買い手も今まで通りで結構です。


②売上請求書に関し、その請求書内で端数値引きなどを行っている。又は翌月の請求書で値引きを反映させている(買い手であれば当月若しくは翌月に届く仕入や外注費の請求書です)。

→特に気を付けることはありません。売り手も買い手も今まで通りで結構です。

→ただし、請求書とは別に交付する返還明細(例えば取引金額に応じて買い手側に支払う販売奨励金などですかね)がある場合、これは返還インボイス(買い手側は仕入れのマイナスになるもの)を交付する必要があります。


③売上請求書に関し、振込料220円を引かれて入金があった(買い手は振込料を差し引いて支払っている)。

→売り手(入金される側)は、原則として金融機関若しくは買い手からインボイスの交付を受ける必要があります。

但し、実務上の負担が尋常ではないくらい増加してしまう事に対応するため、振込料を売上値引きとする場合は税込1万円未満であればインボイスが不要という制度ができました。実務上はそれを活用して対応していく形になります。

 

③を仕訳(売り手側の仕訳)で反映させた場合は下記のようになります。

前提として「8月に550,000円の請求書を送り、9月に220円差し引かれた549,780円が振り込まれた」というケースで考えてみましょう。

8/31 売掛金/売上高 550,000円

9/30 普通預金/売掛金 549,780円

9/30 手数料/売掛金 220円

 

この220円が課税仕入であるため、原則的には相手方のインボイスが必要という理屈なのでしょうね。。。

しかし、結論としてはインボイスを貰わずに対応できますので、その点につきましては次回配信で対応方法を含めてご説明いたします。

 

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佐藤友一