2023年10月21日

資金繰りに悩んでいる方!税理士のいう事を鵜呑みにしてはいけません

経営者の中で、今まで「資金繰りが厳しいと思ったことは一度もない」という方はほとんどいないのではないでしょうか。創業時に資金が必要となり、売上を伸ばしていく過程で設備投資や支払いサイクルの問題で資金が必要となり、従業員を雇用することでまた資金が必要となっていく。それで確実に利益が出る体制をつくることが出来たのであれば今は安泰かもしれませんが、なかなかその状態にもっていく事が出来ないというのが実態ではないでしょうか。

 

そのような中、税理士事務所の担当者を一番のパートナーとして相談していただけたらありがたいのですが、その担当者にスキル(というか気持ちですかね)がないために相談をしていない、若しくは相談をしたけれどもまったく意味がなかったという経験をされた方も多い気がしております。下記は、そう思われてもやむを得ないですねというような話です。

 

 

年間2千万円の利益を出す会社=儲かっている?


経営者:うちの会社って儲かってますか?

税理士事務所:はい、役員報酬もきちんと取れていますし、減価償却費の計上前ですが利益も2千万円あるので儲かっていると思います。

 

この会社ですが、借入金やローン返済で年間5千万円の支出がある会社でした。結果、2千万円を稼いでも5千万円の支払いをすることによって年間の不足資金は3千万円の会社ということになります。

その税理士事務所の担当者は損益計算書で利益が出ているため儲かっていると伝えたのでしょうが、私の感覚からすると年間3千万円の資金不足が生じている会社に儲かっていると伝えるのは適切ではありません。

 

もちろん、その5千万円の返済が後1年なのか今後5年間続くのか、又は手元資金が5千万円の会社なのか5億円の会社なのかなどの背景によって出てくる言葉は異なります。

いずれにしても、そこまで考えずに他人事のように対応している税理士事務所の担当者は多いのだろうなというのが感覚としてあります。

 

 

資金繰りを改善するために(利益を多く残すために)


対応は会社ごとに異なりますし、「売上を伸ばせ」とか「固定費を減らせ」など誰でも言葉では簡単に言えるようなことをここに載せても意味がありません。

そのため、違う論点から二点だけお伝えさせていただきます。

 

■正直、損益計算書だけを見てもその会社の状況は分かりません。貸借対照表に載っている預貯金や借入金などを踏まえたうえで現況把握をすべきです。

→私はこれらを合算して1枚の資金繰り表を作成して顧問先に提供しています。

 

■資金の動きについては数字を見るまでもなく経営者の感覚通りということは多いですが、良いにしても悪いにしても原因がありますので、何が事実でどこに手を打つことができるか判断するための指標はあった方が良いです。

→そもそもの粗利率が低いのか、それとも客数(受注件数)が少ないため粗利額が低いのかなどで手を打つ場所は異なります。高額なシステムを入れなくても、私がエクセルで作成した原価管理表でよければ顧問先に無償で提供しております(建設業や製造業向けですが、それ以外の業種で使えそうであれば考えて作成してみます)。

 

また、業種で区分した場合、例えば運送業でしたら車1台当たりの設備投資額が大きくなりますので、車のローン返済が続く期間は資金繰りが厳しいという前提のもとで今後の対策を検討していくというのが現実的かもしれません。

 

この記事で私の考えを伝えきるのは難しいですが、何か一緒に考えていくことが出来るかもしれませんので必要であればこちらのお問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

 

札幌で税務顧問や相続税について税理士をお探しの方はぜひお声がけください。

佐藤友一