2023年8月30日

インボイス・免税事業者との取引が多い場合は税務調査が増えるか?

過去に「外注費or給与」の論点でいくつか判例がありますが、この論点について税務調査が増える気がしております。

何故この調査が増える気がしているのかと言うと、消費税の申告書を見れば経過措置(相手方がインボイスを取得していない場合でも当面は消費税の80%の控除を認める)を適用した金額が分かるよう改正されるためであり、下記のような目星をつけた調査が可能となるためです。

■3,300円の飲食代(3,000円の交際費と300円の消費税)に対して経過措置を適用

→消費税300円×80%=240円を控除したのが申告書でわかる

→1年間で3,000円程度なら調査する必要もないかな。

 

■1年間で880万円の外注費(800万円の外注費と80万円の消費税)に対して経過措置を適用

→消費税80万円×80%=64万円を控除したのが申告書でわかる

→800万円も支払っているなら調査に行って確認してみようかな。

 

これが外注費ではなく給与と認定された場合、「消費税の過大控除80万円×数年分?」と「給与に対する源泉所得税の納付もれ〇万円×数年分?」というダブルの納付が生じることになり、税務調査官にとっては効率の良い調査となります。

なお、「過去に税務調査に入られたことがあるけれども指摘されていない」というのはたまたま指摘されなかっただけの可能性もあり、それが問題なかったということにはなりません。

「外注といえば外注だけど従業員みたいなものだ」というインボイスを取得していない取引先がある場合、実態として外注に適合させるようにしましょう(実際は従業員なのに外注費とするのはもちろんアウトです)。

 

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佐藤友一