2023年10月13日

社会保険料の負担を削減したい法人経営者は必見です!ぜひご検討を

法人経営者が頭を悩ませていることの一つとして社会保険料の会社負担があると思われます。

健康保険と厚生年金を合わせて会社負担は約15%ですので、年収500万円の従業員さんを10名雇用しているのであれば「500万円×10人×15%=750万円」の費用が毎年発生しており、役員報酬を高めに設定している経営者であればその経営者が支払っている金額は会社負担と個人負担を合わせて年間300万円ほどになっているケースもあります。経営者ご自身の社会保険料は会社負担15%+個人負担15%=30%を毎月支払っている感覚ですので何とかしたいと思うのが当然です。

 

そこで、ここでは賞与を活用した社会保険料の削減方法をお伝えしようと思いますので、「月額給与100万円で年収1,200万円、年齢は50歳」という前提で対策前と対策後の違いを見比べてみましょう。

なお、下の図が令和5年10月現在における北海道の保険料額表ですが、見えにくい方は下のリンクよりご確認ください。

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/r5/ippan/r50201hokkaido.pdf  

 


【対策前】

■支給方法は「月額給与100万円×12か月」で年収1,200万円(上の図では緑色で金額を塗りつぶしています)。

①健康保険:118,678円×12か月=1,424,136円

②厚生年金:118,950円×12か月=1,427,400円

年間保険料:①+②=2,851,536円

 


【対策後】

■支給方法は「月額給与5万円×12か月+賞与1,140万円」で年収1,200万円(上の図では黄色で金額を塗りつぶしています)。

(1)健康保険

①月額:7,023円

②賞与:693,903円

③年間保険料:①×12か月+②=778,179円

(2)厚生年金

①月額:16,104円

②賞与:274,500円

③年間保険料:①×12か月+②=467,748円

∴給与と賞与を合わせた年間保険料は1,245,927円

 

これを表でまとめると下図のようになります。

 

  健康保険 厚生年金 合計金額
対策前 1,424,136円 1,427,400円 2,851,536円
対策後 778,179円 467,748円 1,245,927円
差額 645,957円 959,652円 1,605,609円

 

いかがでしょうか。

ご自身の役員報酬を調整するだけではなく、例えば社宅の活用や旅費日当の仕組みが整備されていない場合はそちらも有効に活用できないか合わせて検討してみましょう。

 

但し、月額給与を下げることによるデメリット(というか注意点)を踏まえたうえで検討されるべきです。下記以外にもありますが、これらのことを理解したうえでそれらの対策もセットで実行できるのがよいですね。

・将来受け取る年金は当然減少する。

・途中で亡くなってしまった場合は死亡退職金や弔慰金に影響を与える可能性がある。

・賞与の額が高額になるほど一回で納付する源泉所得税の額も多くなる。

 

 

札幌で税務顧問や相続税について税理士をお探しの方はぜひお声がけください。

佐藤友一


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投稿者プロフィール

佐藤有

代表税理士 佐藤有

税金のことはもちろんですが、「経営全般におけるプロフェッショナルとして経営者様と共に存在すること」「経営者のパートナーとして将来を見据え、苦楽を共にしながら経営内容を改善させていくこと」が役割だと考えております。札幌で税務顧問や相続税について税理士をお探しの方はぜひお声がけください。